CMは子育てに希望を見せてくれないか。
ムーニーのCM見た。
https://www.youtube.com/watch?v=RSWiFlcXDkI
私の子供が乳児の時は、幸い子供が手がかからなかったためなのか、気持ちに余裕があったから乗り切れたのか、今思い返すとさほど辛くはなかった気がする。
育児休暇中のこともぼんやりとした記憶で、復職してからは夫の単身赴任中のワンオペだった頃の方が洗濯物やら食事やら少なくて楽だった気すらする。もともと食にそれほど執着もないし、掃除もあんまりやらなくてもいいやと思ってるから、散らかってることをとやかく言われないのをいいことにダラリとやり繰りしていた気がする。
それとも辛い記憶が抜け落ちてるのか。
むしろ仕事のプレッシャーが加わっている今の方が辛い。
私には仕事、向いてないとつくづく思う。
けどそれはまた別の話。
ムーニーのCM、あれが多くの人にとってリアルだということは分かる。
でも、そんな人を応援していることを伝えたいなら、リアルを投げっぱなしにしないでよ。
助けてよ。
思い出が宝物になる前に力尽きないように、希望を見せて欲しかった。
企業として、子育てする人が楽になるように何ができるか提案して欲しかった。
誰に助けを求めればいいか教えて欲しかった。
ちょっと楽になる方法でも、ちょっと元気が出る方法でも、「何をしてあげたらいいですか?」と問いかけるだけでも良かった。
もっと人を頼っていいよ、と言って欲しかった。
「いつか宝物になる」で締めくくられたら、結局自分が耐えるしかないのか、と諦めてしまうかもしれない。
夫がもっと育児に関われば多くのお母さんはきっと救われる。
でも夫のいないお母さん、妻のいないお父さん、実家に頼れないお父さんやお母さんもいる。
ワンオペ育児にならざるを得ない人はやっぱりいる。
男性がもっと育児に関わることで、より働きやすい環境を提供できる会社が増えれば、ワンオペ育児でもやっていける人も増える。
行政のサービスを充実させること、そしてそれを周知することも必要。
子育てに必要な情報にアクセスできるだけでずっと楽になる人もいると思う。
社会が子育てする人にできることはまだまだきっとたくさんある。
それを待たずに私の友人は死んでしまった。
辛い思い出を宝物にする前に命を絶った。
普段から子供に辛くあたる友人を時折目にしていた。
「子供とずっと家にいると気が狂いそうになる」という言葉を耳にしたこともあった。
責任感が強くしっかりした友人は人に頼れなかったのかもしれない。
時々友人を思い出して涙がとまらなくなることがある。
もっと自分にできることがあったんじゃないか、自分は気づいていながら見て見ぬ振りをしていたんじゃないか。
でも、自分も紙一重かもしれないと思う事もある。
追い詰められて子供を殺してしまった人も同じだったのかもしれない。
心に余裕がある時にはかわいくてしょうがない子供が、時にすごく憎たらしく思える事もある。
色んな事が上手くいかないいらだちを子供にぶつけてしまう事もある。
死んでしまった友人が何を思っていたかは分からない。
もう子育てに追い詰められて自分や子供や周りの人が死ぬ事がないよう、私は私にできることをやっていきたい。
だからどうか、今辛い思いをしている人を絶望させないで欲しい。